取引の際の土地価格は路線価の何倍くらいになるのか

売りたい土地があるときにはいくらで売れるのかに興味があるのでしょう。様々な指標が価値の基準として用いられていますが、土地の売買をするときには簡便に使える基準として路線価がしばしば活用されています。取引の際の土地価格を路線価から概算したいというときには何倍くらいにすれば良いと考えれば良いのでしょうか。

土地の路線価とは

土地価格がいくらになるかを概算する上で、まず前提条件として理解しておきたいのが路線価とは何かということです。路線価は相続税や贈与税を計算するために用いる土地の価値基準です。土地が面している道路に対して指標が定められていて、その指標に土地の面積をかけることによって価値を計算することができます。

路線価は1月1日に定まる地価公示価格を基にして決まる仕組みになっているため、毎年変わる可能性があります。固定資産税評価額も地価公示価格を基にして定まりますが、評価替えが3年に1度で評価の方法も違うので注意が必要です。

似ている指標で混同してしまう人もいるため、別のものだという認識を持っておきましょう。

土地価格の公示価格と路線価の関係

路線価を決める基準となる土地公示価格は国土交通省によって決定されています。公示価格は一般の土地の取引価格に対して指標を与えることを目的の一つとして地価公示法に基づいて定められているものです。都市やその周辺地域等において土地の取引を行う人は公示価格を指標として取引をする努力義務を負うことから、公示価格を用いて取引価格を概算することができると考えられます。

なお都道府県が決めている基準地価も同様にして用いることができる指標です。基準地価は都市計画区域以外についても調査対象となっているので、公示価格では調べにくい地域でも問題なく活用できるでしょう。路線価は公示価格の8割として定められているのが通例です。

そのため、公示価格を路線価図から求めようとしたら土地の面している道を探して指標を確認し、土地面積をかけてまずは路線価を計算します。そして、その路線価を1.25倍にすれば公示価格になると考えれば良いのです。

なお、固定資産税評価額の場合には公示価格の7割が目安になっています。固定資産税評価額から公示価格を計算したいというときには10/7倍、およそ1.43倍すれば良いと考えることが可能です。

土地の売買価格と公示価格の関係

路線価から公示価格を計算できれば土地がいくらで売れるかがわかると思う人もいるでしょう。しかし、公示価格だけでは土地の売買価格がわかるとは単純に言うことはできません。あくまで公示価格はこの程度の金額で取引されるのが妥当だという指標です。

その土地を売買するときの相場だと考えるのが無難でしょう。実際の取引のときには二つの理由によって大きく価格が変わる可能性があります。一つ目は土地固有の条件による影響を受けて価格が動くからです。同じ地域で同じ道に面している土地であっても、南側に大きなビルが建っている土地と、空き地で広々と見渡せる土地とでは買い手にとって魅力が大きく異なるのは明らかでしょう。

隣が空き家の場合と比較的新しい家が建っている場合でも衛生面や安全面などの違いがあります。隣接する土地の使われ方によってかなり土地価格が変動することもあるのです。二つ目は土地の取引は最終的に交渉で決まるからです。

土地の売買は不動産会社に仲介してもらって行う個人間取引が一般的です。売り手は高く売りたいと考えて公示価格よりも高い値段をつける傾向があります。それに対して買い手は一円でも安く買おうと考えて様々な理由をつけて安くしようと交渉に挑むのが通例です。

その落とし所がどこになるかで土地価格は公示価格より高くなることも安くなることもあります。

一般的には何倍くらいでの取引になるのか

結局、路線価の何倍くらいの土地価格で取引することになると考えておくのが妥当なのでしょうか。平均的に見ると公示価格は取引価格の90%程度になっているのが現状です。つまり、路線価から考えると1.25倍よりもさらに1割くらいは高くなるので1.35倍から1.4倍くらいになると考えることができます。

ただ、あくまで平均で考えた場合の指標なので安く買い叩かれてしまうようなケースもないとは言えません。大まかには路線価の1.2倍から1.5倍くらいの範囲内に入ると考えておくと大きく外れることはないでしょう。

路線価を使うときの注意点

路線価を使って土地価格を計算するときに注意しておきたいのが、売り手だけでなく買い手も簡単に同じ計算ができることです。

路線価から考えて1.25倍が5000万円だから、これよりは必ず安くなるように交渉してから取引しようと考える買い手もいます。参考情報⇒土地の相場を調べる方法

最終的には交渉によって取引価格が決まることを念頭に置いておき、交渉のときには相手が路線価あるいは公示価格などの情報に基づいた議論をしているかを確認しましょう。その根拠がある場合には交渉の落とし所は路線価の1.25倍になる可能性が高いからです。

そのため、特に土地の価格交渉がある場合には売り手は路線価を知っておくことが大切です。

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